鍵盤上のショパン
- pianoroom gutti
- 2024年11月3日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年11月6日

先日、ショパンのあるマズルカを弾いていて、ふと思ったこと。
ショパンは「ピアノの詩人」と呼ばれ、ピアノ曲の作曲家・ピアニストとしての面が多く語られます。また、たくさんのお弟子さんをもつピアノ教師という一面もありました。
ショパンのお弟子さんたちへの指導の一つに「ミ・ファ♯・ソ♯・ラ♯・シの鍵盤に、1・2・3・4・5の指を順番に置く」というものがありました。短い指(1・5)が白鍵上に、長い指(2・3・4)が黒鍵上にあることになります。この形が最も自然で綺麗であると感じていました。
また、ショパンは次のように言ったとも伝えられています。
「ピアノの場合は、ハ長調による音階練習を始めるのは意味がない。ハ長調は譜読みこそ一番やさしいが、全く支点がないので手を動かすには最も難しい調なのである。例えばロ長調のように、簡単に手が動き、長い指が黒鍵を押さえる調から始めるのが良い。」
ショパン先生は、「人の手や指」「白鍵・黒鍵」、それぞれの特徴を押さえてピアノの指導をしていたのでしょう。
私が弾いていたマズルカは、「ハ長調 Op.24-2」。4ページのこの作品、なんと1枚目・2枚目・4枚目は白鍵のみで弾くのです。3枚目は♭が5個、変ニ長調です。白鍵より黒鍵を弾く方が多くなります。
ショパンはこの曲に、ピアノ教師という立場から、何かしらのメッセージを込めたのでしょうか?
素敵な曲です。ぜひ聴いたり弾いてみたりしてください。