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鍵盤上のショパン

更新日:2024年11月6日

 先日、ショパンのあるマズルカを弾いていて、ふと思ったこと。

 

 ショパンは「ピアノの詩人」と呼ばれ、ピアノ曲の作曲家・ピアニストとしての面が多く語られます。また、たくさんのお弟子さんをもつピアノ教師という一面もありました。


 ショパンのお弟子さんたちへの指導の一つに「ミ・ファ♯・ソ♯・ラ♯・シの鍵盤に、1・2・3・4・5の指を順番に置く」というものがありました。短い指(1・5)が白鍵上に、長い指(2・3・4)が黒鍵上にあることになります。この形が最も自然で綺麗であると感じていました。


 また、ショパンは次のように言ったとも伝えられています。

「ピアノの場合は、ハ長調による音階練習を始めるのは意味がない。ハ長調は譜読みこそ一番やさしいが、全く支点がないので手を動かすには最も難しい調なのである。例えばロ長調のように、簡単に手が動き、長い指が黒鍵を押さえる調から始めるのが良い。」


 ショパン先生は、「人の手や指」「白鍵・黒鍵」、それぞれの特徴を押さえてピアノの指導をしていたのでしょう。


 私が弾いていたマズルカは、「ハ長調 Op.24-2」。4ページのこの作品、なんと1枚目・2枚目・4枚目は白鍵のみで弾くのです。3枚目は♭が5個、変ニ長調です。白鍵より黒鍵を弾く方が多くなります。


 ショパンはこの曲に、ピアノ教師という立場から、何かしらのメッセージを込めたのでしょうか?

 

 素敵な曲です。ぜひ聴いたり弾いてみたりしてください。

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