三条市元町にある「まちやま」(図書館等複合施設)。本館1階のカフェ前に1台の大きい木目のピアノがあります。
このピアノは「エラール」。フランスのエラール社製なのでこう呼ばれます。エラール社はピアノの歴史を語る上で、最も重要なメーカーの一つです。
まちやまのエラールは1930年(昭和5年)に製造され、県立三条東高等学校の前身である三条高等女学校創立20周年を祝い、同窓会が贈ったコンサート用のグランドピアノです。
1982年10月、私の恩師が「三条東高エラール記念演奏」に呼ばれ、私はその演奏会を聴きに行きました。その当時、もうピアノは傷んでいて、主催者の方だと思いますが「このピアノは演奏会で使えるような状態ではない。◯◯先生だからこそ弾けたピアノだった。」というようなことをおっしゃっていた記憶があります。
このピアノは長い時間をかけて修復されました。修復後には記念演奏会が開かれ、今、その姿をまちやまで見ることができるようになりました。見るだけではなく、希望する人には毎週土日のまちやま開館時に行われる「エラールオープニングベル」の演奏者として弾くこともできるようになっています。
8月31日、私はこのエラールを弾く機会を得ることができました。最近のピアノとは違う音色やタッチにとまどったり、そのとまどいを楽しんだりしながら、約10分間、弾かせて頂きました。